Raphaël Top-Secret

“DJの中のDJ”というフレーズを、私たちは誰しも耳にしたことがある。Raphaël Top-Secretは、”ディガー中のディガー”だ。「素晴らしい発見の多くはRaphaëlによるものだった」と、”Music From Memory”の共同創設者Jamie Tillerは語る。2017年にRaphaëlと共に、ヨーロッパ各地の安売りレコード箱の中から救出した奇妙なポップを収録したコンピレーション「Uneven Paths」をキュレートした人物だ。RaphaëlがDJ活動を開始したのは’00年代初頭で、当時彼は、現在レーベル”Antinote”を運営しているZaltanことQuentin Vandewalleと共にパリ市内の小さなバーでプレイしていた。その後、一時期ブリュッセルに住み、時折朝5時に起きてはジュドバル広場の蚤の市へディグしに出かけていたという。 Raphaëlにとって音楽を発見し共有することは、芸術表現の最たる手段なのだ。オリジナルトラックやエディットにも手を出し、”Antinote”、”Macadam Mambo”、”Non-CollectiveRaphaël”といったレーベルからリリースしているが、曲を制作することよりもずっと充実している (ちなみに彼がエディットしたTohon Stanislasの「Owhaaou!」は、最近”Rush Hour”からリリースされたHunee監修のコンピレーションに収録された)。

彼のRAポッドキャストには、Annette Brissettによる美しいラバーズロックのオープニングチューンから、ダブ、R&B、ダウンテンポ、ブギー、ハウスを織り交ぜた陽気な展開の締めくくりに至るまで、夏の午後に感じる気怠さのようなものが滲み出ている。