音楽の方向性、嗜好に関わらずミュージシャンやプロデューサーが直面すべき最大の課題は、他のアーティストが従うべき道を示すことであり、また彼らのパフォーマンスの基礎を築くことができるかどうかを見極めることである。Reekoこと、Juan Ricoは前述にある事柄を深く理解し、また完璧主義者である彼はキャリアの早い段階でそれらを認知するに至ったのである。
1997年よりDJとしてのキャリアをスタートしていたが、2002年にEmergenceよりリリースを果たすまではプロフェッショナルなアーティストとして認知されることはなかったが、それを皮切りに彼は様々な名義を使い分け、それぞれのプロジェクトに沿ったアイデアを確実に作品群に投下、彼の実力を証明してみせたのである。
2003年、自身のレーベルMental Disorderをローンチ、その後もリリースを続け、PacouやOscar Muleroといったベテランアーティスト達の作品もリリースするなど世に広く認められていく。またそのサブレーベルとして機能するEvidenceはより深く、病的なまでに難解なコンセプトを持つレーベルであり、FunctionやPaul Bailey、Trolley Routeも同レーベルより作品を残している。
そしてOscar Muleroを筆頭としたスペインのテクノコレクティヴ、Pole Groupへの参加は彼の存在意義を決定づけるものとなった。