Rob Smith a.k.a. RSD

“ブリストル・サウンド”とは、イコール、ロブ・スミスだ。音楽を好きな人なら誰もが聞いたことがあるだろう名前の町――ブリストルにロブは生まれ育ち、現在はブリストルの音楽の歴史に欠かせない人物となった。誰もが認める“ハート・オブ・ブリストル”。
ロブ・スミスの音楽的変遷はそのまま“ブリストル・サウンド”の最前線だ。70年代にパンクに熱中したロブは、80年代の初頭にレゲエのバンド、ザイオン・バンド〜レストリクションにギターで参加し、本格的な音楽活動を始めた。ダブ・エフェクトの魅力に取り憑かれた彼は、ファンク・バンドに所属していたレイ・マイティと出会い、80年代の中頃からスミス&マイティとして音楽制作を開始する。ダブと初期ヒップホップの影響を隠さず、90年代にはアシッド・ハウスやハードコア・ブレイクビーツといったレイヴ・サウンドにも触手を伸ばした。ピーター・Dとはモア・ロッカーズとしてダブの影響を反映させたジャングルを制作。その後も、ガラージ〜2ステップやブレイクスなど、英国のクラブ・ミュージックの歴史に残る様々なサウンド・スタイルのほぼ全てにおいて、ロブは“クラシック”と呼べるトラックを残してきた。現在はRSD(ロブ・スミス・ダブの略)としてダブステップを制作・プレイしているが、その奥底にはこれまでの全ての経験が太くグルーヴしている。レゲエのベースラインとブレイクビーツをルーツに、ジャングル〜ドラムンベース〜ダブステップ、そしてその先へ……。未だ進化することを恐れないそのサウンドを肌身で感じることができる機会を逃さないでほしい。
「ある意味かたくなに、そしてレゲエを根っこにしつつ、他のスタイルをミックスしていこうとしているからだと思う。僕は全ての音楽に“ダブ”を見い出したいんだ。ハウスがちょっとステッパーズっぽく聴こえたら、僕らはハウス・ダブのようなものを作った。ブレイクビーツにレゲエ・ギターの音やエコー、ベース・ラインを乗せて、ヒップホップ・レゲエのようなものも作った。ラヴァーズ・ロックや60年代のソウルも好きだったから、女性ヴォーカルやストリングスも入れようとしたりね。似たようなサウンドにトライしていた人たちもいたけど、僕らはサウンドに無意識ではあったけど完璧なヴィジョンを持っていた。それは僕らの歴史……レゲエ、サウンドシステム、それに子供の頃からの音楽や記憶、それらが混ぜ合わさった音楽。それが僕らのサウンドの個性になっていると思う」ロブ・スミス (2010年)