Function

(Ostgut Ton | Infrastructure)

25年以上の長きに渡り活動を続けるFunction (Dave Sumner)は、〈Sandwell District〉の創設、〈Ostgut〉からのリリースや、自身の〈Infrastructure〉レーベルの立ち上げなどを経て、真のアンダーグラウンドテクノヒーローとして認知されてきた。
ニューヨーク出身の彼は、90年代初頭にLimelightで開催されていたJeff Millsのレジデントイベントでテクノに魅了され、彼自身もそのレジデントとなる。
90年代半ば以降にDamon Wildの〈Synewave〉や、自身の〈Infrastructure〉レーベルからリリースを重ねていき、96年に偶然にRegisと出会い、二人はPortion Reformとして〈Downwards〉から妥協なき作品群を制作していく。
彼は2007年にベルリンへ移住、現在もRegisやSilent Servant (Juan Mendez)と〈Sandwell District〉の活動に焦点を当てている。そのレーベルはコレクティブとなり、カルト的な地位を獲得している。
それはアーティストのエゴを分散させ、アーティスト、レーベル、DJの間の境界を曖昧にし、モダンテクノのDNAを再編していった。
当初は独自のアイデンティティでリリースをしていたが、レーベルが成功するにつれてますますコレクティブとして認識されていき、当時の知名度思考のシーンに抵抗し匿名でのリリースを行い、アルバムを「Feed Forward」持ってコレクティブの最高潮へと達する。
そのサウンドは次世代のテクノミュージシャンへ多大な影響を与え、世界的に大きな変化をもたらすことになった。
American Billboard誌は、「サンドウェル地区のアンダーグラウンドテクノへの影響を誇張することはできない」としていたが、2012年にレーベルが”glorious death” (レーベルの輝かしい死、としてパフォーマンスのみの継続)を発表。
彼のベルリン移住は成功を収めていたが、Functionと〈Sandwell District〉の方向性は謎めいたものとなる。
世界中のフェスティバル等でヘッドラインされ、また2009-2011に出演した日本のLabyrinthでのセットは伝説的なものとなっている。
2013年の「Fabric 69」のミックス、〈Ostgut〉からのデビューアルバム「Incubation」のリリース等を経て、Berghainのレジデントとして活躍することとなり、Berghainのミックスシリーズ「Berghain07」を手掛けるなど、ソロアーティストとしての地位を確固たるものとしている。
さらには〈Hospital Productions〉からVaticanShadowとの共作「GamesHaveRules」のリリースなどを経て、新興アーティストの発掘や自信のアウトプットの必要性を感じた彼は、2015年にレーベル〈Infrastructure New York〉を復活させ、多様なアーティストの作品を世に送り出している。
2017年にはジョージアのトビリシのクラブBassianiの、唯一のインタナショナルなレジデントとなる。
Luke SlaterやSteve BicknellとスーパーグループLSDを新たなプロジェクトとして発足させ、ADEやBerghain等でのパフォーマンスや、〈Ostgut〉からのEPリリースなどを行う。
Functionは常にネクストステージへのギアにシフトし続けており、今後もさらなる展開を見せてくれるだろう。