Rabih Beaini

(f.k.a Morphosis)

レバノン出身のプロデューサー/DJであるRabih Beainiは以前Morphosisの名義でも知られ、ノイズやエクスペリメンタルの要素を含む想像的なアナログテクノに特化してきた。最近では自身のレーベル〈Morphine〉でアヴァンギャルドエレクトロニックやアウターナショナルミュージックなどの開拓にも力を入れている。

BeainiによるプロジェクトMorphosisは90年代より冥界のテクノアンダーワールドを築き上げてきたが、1996年には自身の更なる音楽探求のためイタリアへ移り、その後も音楽に関する熱心な研究と実験を重ねてきた。〈Sistrum Recordings〉〈MOS〉、そして〈Styrax〉から発表されているBeainiのエモーショナルで探索的なテクノを制作する者は少ないであろう。彼の2枚の最新アルバム「Albidaya」〈Annihaya〉と「Dismantle/Music For Vampyr」〈Honest Jon〉は批評家から高く評価され、2011年のデビューLP「What Have We Learned」〈Delsin〉以来となる。

Beainiの優れた音楽的能力に加え、クラウトロックからニューウェーブまでの幅広いジャンルからの影響が彼の独創的でダーク、そしてエモーショナルな作品、そしてディープなDJセットの根本となっている。これらはまた、Beaniのエレクトロニカ/テクノ/即興ジャズが融合したアンサンブルUnderground Orchestraの制作にも大いに影響していると言えるだろう。
生々しく素粒子的な電子音楽とジャズが掛け合わさった作品を作り出す中で、Beaini自身のレーベル〈Morphine〉からはMadteo、Hieroglyphic Being、そしてAnthony “Shake” Shakirなどといった先進的なアーティストの作品をリリースしてきた。

2015年にはアメリカの即興アーティストでモジュラー・シンセ史の重要な存在、Charles Cohenの作品を収録し、大いに注目を集める。その他にも先駆的なアメリカの作曲家Pauline Oliveros、フランスのメカニカルオーケストラの創作者Pierre Bastien、そして爆発的な勢いをもつインドネシア人デュオSenyawaのプロデューシングを行い、ヨーロッパと日本でのCohenやSenyawaのツアーの企画にも携わっている。